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ホールとオーケストラの関係について

ホールとオーケストラの関係について

「ホールは楽器である!」
と、よく言われるが、この言葉の意味を、私はこの時初めて思い知った。

今から20年以上も前の1993年5月ウィーンでのことである。

音楽ファンにとっては、文字どおり「夢の競演」がこの週末に繰り広げられたことがある。ウィーンフィルの、いわゆる定期演奏会は毎月一回、週末土曜日午後と日曜日午前に行われるマチネー演奏会である。

これと同日の夜に、アバドとベルリンフィルがウィーンにやってきて演奏会を開いたことがあったのだ。
もちろんホールは、どちらもウィーン楽友協会大ホールである。

(写真1)

ウィーン楽友協会のホール(ムジークフェラインスザール)は、毎年お正月恒例のウィーンフィルによる「ニューイヤー・コンサート」で、お馴染みの世界でもっとも有名なコンサートホールといっても良い。

ことに、音響に関しては、世界でもっともすばらしい、という賛辞はいたるところで聞かれる、この「ホール中のホール」で、ヨーロッパ、いや、世界を代表する2大名門オーケストラが一日の間で競演をする!
これこそ、「夢の競演」という言葉がぴったりのビッグイベントである。

ウィーンフィルの指揮者は、その頃あたりから「幻の指揮者」と呼ばれたカルロス・クライバー(惜しくも2004年7月に亡くなってしまった)、かたや、ウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めて以来、久々ウィーン登場となったベルリンフィルの音楽監督(当時)であったアバドの両者は、もちろん、決して競い合っていたわけではないが、両オーケストラの集中力や観客のヴォルテージも極限まで達し、非常に白熱した演奏がホール内に一日中駆け巡っていたことは言うまでもないだろう。

(写真2)

しかし、ベルリンフィルの演奏には「?」がちょっと(ほんのちょっとではあるが)つけられた瞬間があった。
ベルリンのフィルハーモニーで録音されたレコードで聴ける重厚なハーモニーが時折、「少しうるさいかな?」と思うことがあるのだ。

ウィーンフィルの音色は、いつ聞いても優雅でチャーミングである。
フォルテシモであっても、少なくともムジークフェラインでは、音が割れたりはしない。それどころか、音量が、ホールの飽和状態になる寸前でコントロールされているように聞こえる。
このバランス感覚が、聞くものに最上のひとときを与えてくれるのだ。

(写真3)

それに比べると、ベルリンフィルは一寸分が悪い。
彼らの本拠地ベルリン・フィルハーモニーは楽友協会に比べ、ホールの容積も客席数もひとまわり大きく、残響感(残響時間という意味だけではなく)が少なめだ。

そのため、常にベルリンフィルは、ウィーンフィルに比べフォルテの時は、大きめの音量で演奏することを強いられている。それが響きの量の多い楽友協会では、フォルテシモになると、音が割れてしまう。(もちろん、彼らの本拠地であるフィルハーモニーホールでは絶対ありえないことだ。)

オケの鳴らし方、という点からは、この「ウィーン決戦?」は、楽友協会ホールの音響を隅々まで知り尽くしている、ホームのメリットが勝敗を決めてしまったのではないか。

アウェーの分が悪いのは、サッカーだけではないようだ!

(写真4)

ウィーンフィルのレコード録音会場としては、ホームが二箇所ある。
このムジークフェラインとゾフィエンザールである。
主に、前者はEMIとDGのメイン会場、そして、後者はDECCAの本拠地である。

どちらのホールも名演奏の宝庫であるが、ゾフィエンザールでのDECCA録音は、ウィーンフィルの音色の個性よりもDECCAの音、すなわちカルーショウをはじめとする、天才エンジニアの個性を強く感じる。

もちろん、これはこれですばらしい!いつ聞いても惚れ惚れする。
この話を始めると長くなってしまうので、DECCAのウィーン録音については、また、時を改めてお話したい。

(写真5)

楽友協会でのウィーンフィル名録音というと私個人としては、学生時代にオンタイムの新譜として聞いた1970年代の晩年のベームや若き日のアバドとの管弦楽曲や、グルダやポリーニらとの協奏曲のDG録音のLPがいまだに脳裏に焼きついて離れない。

1950年代後半〜60年代における、DECCAやEMIのステレオ黄金時代の録音に比べると、個性という点では分が悪いが、ウィーンフィルとムジークフェラインのすばらしい音響をこれほど忠実にとらえた録音も少ないと思う。1970年代はやはり、アナログ録音の完成期だったといってもよい。

ちょっと聞くと、物足りない、つまらない音に聞こえるかもしれないが、機器のグレードが上がり、チューニングも万全のシステムで聞くと、このうえないチャーミングなサウンドが、聴く者を幸せにする。そんなLPばかりなのだ。

私は、今もこれらのLPをシステム、そして私自身のリファレンスとしている。ベームやアバドが魅力的に聞こえない時は、システムのチューニングか自分自身の感性に「?」をつけることにしている。

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