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新LP鑑定法 その2(ステレオサウンド誌203号)

新LP鑑定法 その2(ステレオサウンド誌203号)

新LP鑑定法 その2(英DEECA編)

金子 学

前回の「新LP鑑定法」のDGG編には、多くの方の感想をいただいた。
多くの方から「非常に参考になった。」とか、「今までのもやもやが消えた。」などとお褒めの言葉をいただいた一方、「もっと詳細な情報を」との御意見もいただいた。
実は、レーベルの変遷においては、もう少し細かな情報もこちらにあるが、まだ確認できていないことも多かったため、確信をもってお話しできることに限りお伝えしたところである。
もちろん、今後も、新しい情報が確認でき次第、当店のホームページなどで紹介していきたい。興味のある方は、是非チェックしていただきたい。

第2回目の今回は、「ショルティのリング」などでおなじみの、オーディオファイルの憧れの的、英DEECAのLPレーベルの変遷についてまとめてみたい。

● 英DECCA・モノラル編 ● 英DECCA・ステレオ編

◆英DECCA・モノラル編◆

イギリスの名門レーベルDECCA社では、モノラルLPは1950年から1969年まで生産された。これ以降はステレオLPのみのプレスとなっている。
DECCAのモノラル期のレーベルは、大きく分けて2つのパターンに分けられる。
それぞれは、「オレンジ&ゴールド」と「オレンジ&シルバー」と呼ばれている。

Aオレンジ&ゴールドレーベル

レコード番号で言うと、すべてのLXT2000番台とLXT5118までの5000番台となる。そのアルバムのセンターレーベルがオレンジ色に金文字が印刷されていれば、それがオリジナル盤である。いわゆる「オレンジ&ゴールドレーベル」だ。(写真1)

(写真1)

(写真1)

このレーベルのほとんどのLPはオリジナルのモノラル録音である。父クライバー、クナッパーツブッシュ、そしてフルトヴェングラーらの名演が目白押しだ。録音も素晴らしく、特に楽友協会でのウィーン・フィルの名盤は、今聴いても、決して輝きを失うことはない。

Bオレンジ&シルバーレーベル

LXT5119以降のレコードは、すべて銀色の文字になる。これが、「オレンジ&シルバーレーベル」である。
この時期のLPには、ステレオ録音のモノラルカッティングも多いが、これを侮ることなかれ。ステレオ録音であっても、モノラル再生用にマスタリングされた名盤は、ステレオとはまた違った魅力を放っている。(写真2)

(写真2)

(写真2)

なお、このモノラル時期のLPのレーベルは細かく見ると、デザイン違いのほかに、レーベルの内側や外側に溝があるものがあり、そのパターンも数種ある。これを、プレス時期によって細分した資料も見かける。しかし私には、確証がもてない部分も多く、今後も検証が必要であるので、今回は紹介を見送ることにする。

英DECCA・ステレオ編

DECCAのステレオLPのセンターレーベルのデザインは、年代別に4つのグループに分けることができる。それぞれのオーディオファイルはED1、ED2、ED3、ED4と呼んでいる。また、それらの中でも、ED1からED3までを「ラージ・レーベル」(またはワイド・バンド・写真3)、ED4を「スモール・レーベル」(写真4)と大別している。

(写真3)

(写真3)

(写真4)

(写真4)

ラージ・レーベルは、読んでその字のごとく、スモール・レーベルよりもセンターレーベルの大きさが、ひとまわり大きい。また、レーベル中にデザインされている銀色の帯(黒色で「FULL FREQUENCY」と書かれている)の幅が13ミリメートルあり、ED4よりかなり広い。そのため、「ワイド・バンド」とも呼ばれている。

それで済めば、話は簡単であるが、そうは問屋が卸さないのだ。実は、「ラージ・レーベル」だけでも、3種のヴァリエーションが存在する。

もっとも古いタイプがED1と呼ばれるタイプだ。ラージ・レーベルの外周から約1センチのところに溝(GROOVE)があり、レーベル外周(時計でいうと10時の辺り)に「ORGINAL RECORDING BY DECCA」と印刷されている。(写真5)

(写真5)

(写真5)

このレーベルが、DECCAのステレオレコードの中でも、もっともプレスの時期が早く、オーディオファイルたちの憧れの的である。
(このED1より前に、ごく少数ではあるが、レーベルデザインはED1と全く同じで、レーベルの外側の溝が糸のように細いものがある、これをED0、または「パンケーキレーベル」と呼ぶ。)

続くED2はレーベルデザインについてはED1とほとんど同じであるが、10時の位置が「MADE IN ENGLAND」(写真6)となっている。

(写真6)

(写真6)

ED3はED2 におけるセンターレーベル外周部の溝のないものだ。(写真7)

(写真7)

(写真7)

DECCAのステレオLPでは、ED1またはED2が存在するレコードは
SXL2000番台すべて
SXL6001から6368

またED3は、
SXL6369から6448まで存在する。(ただし、SXL6435と6447はED4がオリジナル)

それ以降の番号はED4がオリジナルである。

また、デジタル録音のレーベルや、1980年代後半に閉鎖されたイギリスの工場の代わりとしてDECCAのLPがプレスされたオランダ工場でのレーベルも参考までに掲載しておく。(写真8、9)

(写真8)

(写真8)

(写真9)

(写真9)

(ベーレンプラッテ店主)

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