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店主は語る


ベーレンプラッテのレコードはココが違う!
〜最高の品質をお届けする“仕入れ、洗浄、発送”〜


 ベーレンプラッテでは、現時点で考え得る最高品質のレコードを、1枚1枚、手間と愛情をかけて送り出している。ここではその“こだわり”の一端を紹介したい。


厳選・吟味したレコード

Q レコードの入手方法は?
店主 ベーレンプラッテの全てのレコードは、店主やスタッフがヨーロッパに直接買い付けに行って仕入れてきます。購入時は、現地のレコードショップやコレクターにレコードを1枚1枚見せてもらいながら、盤質やジャケットの状態をチェックして、ミントからニアミント・コンディションのレコードを厳選していますので、「ひと山、いくら」といった買い方はしていません。新しく制作された新品レコードを除いて、日本国内で流通しているレコードや、かつての国内盤は取り扱っていません。



(ヨーロッパでのLP買付風景)


(ヨーロッパから届いたレコードが入った箱)


Q 米盤の取り扱いは?
店主 米盤にも魅力的なレコードはたくさんありますが、基本的には取り扱っていません。なぜかと言いますと、ヨーロッパとアメリカでは、レコードの取り扱いに対する意識が異なっているからです。アメリカの人は、そもそもレコードを“コレクションの対象”とは考えていなかったようで、音楽評論家の黒田恭一氏がどこかで書いていたのですが、黒田氏が米盤の新品レコードを開封したら、レコード盤にタバコの灰が付いていた(!?)なんてこともあったようです。一方、ヨーロッパにはモノを大切にする文化が根付いていますので、レコードの取り扱いや、レコードの作りそのものがとても丁寧だと思います。

Q ヨーロッパのレコードが「単行本」だとしたら、アメリカ製は「雑誌」みたいな感覚でしょうか?
店主 そんな感じですね。もちろん、米盤で聴くことのできる演奏には大変優れたものがありますし、優秀録音もたくさんありますが、ベーレンプラッテにはコンディションの良いレコードを求めるお客様が多いので、今のところ米盤の取り扱いは限られています。

Q ヨーロッパのレコードを取り扱うようになった、そもそもの理由は?
店主 私がベーレンプラッテを始める以前、コレクターだった頃は、ヨーロッパから直輸入されたレコードを主に聴いていました。その後、これもレコードショップを始める前のことですが、ヨーロッパに行った時に買って持ち帰ったレコードと、日本で購入した直輸入盤のレコードとを聴き比べると、「音質が若干違うのではないか?」と感じるようになりました。
 その原因を推測しますと、レコード会社がヨーロッパ市場向けに製造するレコードと、ヨーロッパ以外の地域(日本やアメリカ)に輸出するレコードとでは、「レコード盤の材質を少し変えているのではないか」という話を耳にしたことがあり、個人的にも「あり得ることだ」と考えています。
 一例を挙げますと、Deccaのレコードは、かつて日本やアメリカではLondonというレーベル名で販売されていましたが、当時から「イギリスで同じスタンパーを使ってプレスされているのに音が違う」と言われていました。実際、比較してみると、音の立ち上がりですとか、明瞭度の点で差を感じます。グラモフォンのレコードも、ヨーロッパ向けのレコードと直輸入盤とでは、わずかですが音が違っていると思います。こうしたことが起こる要因は、レコード盤の材料の違いではないか、ということです。
 では、なぜ材料を変えていたのか? これも推測になりますが、昔はレコードを輸出する際に“船便”を利用していました。そうなると、夏に輸送する場合や、暑い航路を通ったりする際、“熱”に対する配慮が不可欠になります。つまり「品質管理」の面から、製造段階で材料の混合比を変えていたのではないか、ということです。


(DECCAとLondon)


(「import」シールの貼られたDGGのレコード)


なぜ、レコードを洗浄するのか

Q レコードは全て洗浄しているそうですが、その理由は?
店主 主な理由が2つあります。1つは、レコードは製造されてから短くて約30年、長いものでは半世紀以上経っています。よって、レコードの溝には微細なゴミやチリが詰まっていたり、時にはカビが生えていることもありますので、それらを落とすためにクリーニングを行なっています。不純物を取り除くことで、再生時のノイズを減らすことができるのです。
 もう1つの理由は、クリーニングすることによって「音質を向上させる効果」があります。レコードを洗浄すると、洗浄前と後で確実に音が変わります。具体的には、音の明瞭度が上がって、鮮明になります。それから、表現がむずかしいのですが、「音楽の“抑揚”がわかりやすくなる」という印象を受けます。ただ、これは非常に感覚的な話ですし、スペアナなどで測定しても変化は確認できないかもしれません。
 こうした改善効果は、不純物を取り除くことでノイズが減るのとは、全く別のものです。以前、個人的に実験したことがあるのですが、新品のレコードや未開封盤を試聴したあと、すぐにクリーニングを行なって再試聴してみたら、やはりその時も音質が改善されました。
 なぜ、そんな不思議なことが起こるのでしょうか? 原因を推測しますと、レコードには例えば、製造時にスタンパーからレコード盤を剥がしやすくするための「剥離剤」に類するものや、静電気などを抑える薬品などが塗られている可能性があります。クリーニングにより音質が向上する要因は、盤上に“ヴェール”にように付着しているものが、洗い流されるためではないでしょうか。
 かなり昔になりますが、オーディオ評論家の江川三郎氏の記事を読んだことがありまして、江川氏が新品のレコードを雑巾(!?)でゴシゴシ拭いていると、“抵抗感”がふと消える瞬間がある(=付着していたものが落ちる)、という話が載っていました。
 ちなみに、レコードを洗浄し終えたあとの「洗浄液」を観察すると、小さなゴミが混じった“沈殿物”のほかに、洗浄液全体が薄く白く濁っています。これはつまり、レコードの表面に付着していた何らかの物質が溶解して、洗浄液が白濁している、と考えられます。

Q どのような方法で洗浄するのですか?
店主 新品・未開封品を除く全てのレコードは、出荷前にキースモンクス社のクリーニングマンシンで洗浄します。この機械は、主に放送局で使用されていたものです。放送局で、どうしてクリーニングマンシンが必須なのかと言いますと、放送局には膨大なレコードが何十年にもわたって保管されています。そうしたレコードを洗浄するのが、クリーニングマンシンの役割です。あと、放送局には(テープ以外の)ガラスや金属盤に記録されたアーカイブが残されています。そうした貴重な「盤」を良い状態で保管するために、クリーニングマシンが開発されたということです。
 洗浄のメカニズムは、最初に盤面に洗浄液をかけ、非常に繊細なブラシでレコードの溝に溜まった不純物を掻き出します。そして、洗浄液が乾く前に、素速く不純物が含まれた洗浄液をバキューム(吸引)します。

Q 八百屋で買った野菜を食べる前に洗うのと同じように、レコードも聴く前に洗った方がいいのですね(笑)。
店主 はい。そうされることをお薦めします。


(キースモンクス社のクリーニングマンシン)

(盤面に洗浄液をかける)

(目の細かいブラシで溝に溜まった不純物を丁寧に掻き出す)

(即座に不純物が含まれた洗浄液をバキュームする)
(クリーナー後の白濁した洗浄液)


内袋も新品に

Q 洗浄後は、レコードを入れる内袋も交換されるそうですね。
店主 はい。洗浄が終わったら、新品の内袋に取り換えます(もともとレコードが入っていた内袋も捨てたりはしないで、同梱してお客様にお送りしています)。
 内袋を交換する理由は、古い内袋にはゴミやホコリが付着していますので、それらを除くためです。もう1つは、レコード用に使用されていた半透明のポリエチレン製の内袋には、レコードを重ねた時に“密着”を防ぐ目的で「アンチブロッキング剤」が配合されています。そして、長期間、内袋からレコードを出さないまま(空気に触れない状態)にしておくと、このアンチブロッキング剤が内袋の表面に浮いてくる「ブリード現象」が発生します。この表面に出てきたアンチブロッキング剤がレコード盤に固着してしまうのが、あの「ビニ焼け」という現象なのです。内袋を交換することで、ビニ焼けを防ぐことができます。


(「新品」の内袋)

(「ポリエチレン製」の内袋)

(レコードのビニ焼け〜赤く囲った部分〜)

Q 洗浄によるデメリット、リスクはないでしょうか?
店主 基本的にはありません。ただ、レコードを洗浄すると、ゴミやチリが浮いてきて、それらをバキュームすればいいのですが、ごくまれに、溝の中に“粒状”に挟まった状態で不純物が残ってしまうことがあります。もちろん、確率的には大変低く、200〜300枚に1枚くらいです。
 この状態でレコードをかけると、バチッという大きなノイズが発生して、針が飛んだり、そこから先に針が進まなくなったりします。もし、盤面にいわゆる“傷”が付いているなら、その付近に来るたびにパチパチという周期的なノイズが聞こえるか、斜めに溝をまたぐような深い傷が入っています。一方、洗浄後にも残ってしまった不純物により突発的なノイズが発生する時は、盤面を子細に観察すると、小さな点のような突起が見えるはずです。こうした不純物は“十中八九”除去できますので、無理に取り除こうとしないで、レコードを返送していただければ、当店で責任を持って除去・再洗浄します。



輸送時の事故を防ぐオリジナル段ボール

Q レコードを梱包・発送する「段ボール」も工夫されているということですが、どのような段ボールを使っているのですか?
店主 ベーレンプラッテでは、段ボール業者と協同で開発したオリジナル段ボールにレコードを梱包して出荷しています。この段ボールの四隅には衝撃を吸収するための“ツバ”が付いていますので、万が一、運送時に落下事故などが発生しても中のレコードが破損することはありません。
 また、宅配業者は、お客様から特にご指定のない限り、ヤマト運輸を使っています(もちろん、他の宅配業者も指定可能です)。

 




(ツバ付段ボール)


(聞き手:藤井 洋)