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  • ズスケのバッハ/無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番、パルティータ第1番 独ETERNA 3811 LP レコード

商品説明

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バッハ/無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番
パルティータ第1番


カール・ズスケ(ヴァイオリン)


プレス国 ドイツ
レーベル 水色レーベル


コンディション
レコード 良好です(MINT~NEAR MINT)
ジャケット 良好です(四辺に少々わずかな傷みあり)


カール・ズスケ
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ 第1番
(1983年録音/オリジナルLP)

このLPを初めて聴いたときの印象は、正直に言えば「地味」だった。
音色がきらきらしているわけでもなく、一音目から耳をつかみに来るような華やかさもない。
近年の無伴奏バッハにしばしば見られる、強い自己主張や解釈の押し出しも、ここにはほとんど感じられない。

けれど、不思議なことに、しばらく聴いていると耳を離せなくなっている。
決して派手ではないのに、なぜか「ほっとけない」。
ズスケの無伴奏には、そういう静かな引力がある。

この録音は、ズスケのキャリアの晩年、すでにデジタル録音が主流となった時代に残されたものだ。
音響的には、より美しく、より明晰に録ることも可能だったはずだが、
ここで聴かれる音楽は、そうした技術的進歩とは距離を置いている。

音は細く、ヴィブラートは最小限。
音色で聴き手を惹きつけようとする意志はなく、
ただ音符を、過不足なく置いていく。
無伴奏という「逃げ場のない」形式の中で、
ズスケは誇らず、飾らず、音楽の前に静かに立っている。

その結果として現れるのは、
大きく拡張する世界ではなく、
かちっと完結した「小さな宇宙」だ。
それは、盆栽を見る感覚に少し似ている。
一瞬で価値が分かるものではないが、
枝の角度、幹の流れ、空白の取り方、
そのすべてに意味があり、同時に自然でもある。

このLPが持つもう一つの重要な価値は、
ズスケ円熟期の無伴奏バッハが、
アナログ盤として「その時代に企画・制作された形」で残されている点にある。

この録音が行われた当時、
無伴奏バッハはすでにCDを前提に全集としてまとめられることが一般的だった。
しかし本盤では、なぜか第1番のみが選ばれ、
LPとして世に出ている。

LPというメディアには、収録時間の制約があり、面替わりという明確な区切りがある。
「続き」が自動的に流れないからこそ、
一曲一曲の重み、終止の置き方、沈黙の意味が、より厳しく問われる。

ズスケのこの第1番は、その制約の中で過不足なく完結している。
むしろ、LPという形式だからこそ成立した無伴奏と感じられるほどだ。
後年、CDやデジタルで全曲を通して聴けるようになっても、
このLPが放つ独特の静けさ、
「ここまででよい」と思わせる充足感は、オリジナル盤ならではのものである。

派手な名盤ではない。
語りたくなる名盤でもない。
しかし、棚に戻しても、また必ず手に取ってしまう。

ズスケ晩年のこの無伴奏バッハは、
「聴く」よりも、
一人の音楽家と、静かに同じ時間を過ごすための一枚である。

価格:44,000円(税込)

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店主:金子 学

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