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新LP鑑定法

● 独アルヒーフ編

● 東独ETERNA(ステレオ)編

● 蘭PHILIPS編


◆独アルヒーフ編◆

アルヒーフ(ARCHIV)レーベルは、ドイツグラモフォンの社内に置かれた音楽史研究部門として1947年に立ち上げられた。ヴァルヒャ、リステンパルト、レーマンらによるバッハ作品の録音より開始され、その後オリジナル楽器復興として重要な、ヴェンツィンガーとバーゼル・スコラ・カントールムによる演奏や、決定的な名盤になった、カール・リヒターの「マタイ受難曲」などを録音。1980年頃からは、ピノック、ガーディナー、ゲーベルらと契約を結び、古楽復興の重要なレーベルとなってきた。

モノラル時代

アルヒーフレーベルのモノラル時代のレーベルは、写真1のように、銀色のベースにレーベルの周囲に二本の青色の線が印刷されたものである。これは、一般に「ブルーラインレーベル」と呼ばれている。
そして、このモノラルレーベルの中でも特に古いものは、スピンドル孔右側の青色の「33」の数字が、長方形で囲まれたもので、後期のレーベルは、それが逆三角形となる。(写真1は後期レーベル)
この時期の名盤としては、イタリアのチェロの名手、エンリコ・マイナルディが演奏した、バッハの「無伴奏チェロ組曲」(1954-55年録音)があげられる。
また、これレーベルの特色として、スピンドル孔の左側に録音の年月日(ドイツ語でDATUM)が印刷されているところ挙げたい。いままで、いろいろとレーベルを見てきたが、録音年月日が印刷されているのは、(多分)このレーベルのみだ。さすが、ARCHIV(ドイツ語で、公文書・古文書などの意味)レーベルといえよう。

(写真1)


ステレオ時代
アルヒーフのステレオレーベルは、モノラルと同じく、「ブラーライン」から始まる。そのなかでも、初期のステレオレーベルは、レーベルに向かって時計の十二時の位置に、「STEREO」の表記がみられる。(写真2)

(写真2)


その次の世代のレーベルは、写真2とほとんど同じではあるが、十二時の位置の「STEREO」の表記がなくなる。(写真3)
この頃のアルヒーフレーベルの名盤としてはカール・リヒターが残した数多くのバッハの名作を中心とした名録音を上げることができる。先ほどの「マタイ」そして「ヨハネ」、数多くのカンタータそして、管弦楽組曲などの器楽曲はいまでも、バッハ演奏の模範として多くのファンを魅了している。

(写真3)


さて、このレーベルデザインまでは、録音年月日がレーベルに表記されているが、なぜか、それがなくなってしまう。また、周囲のブルーラインもちょっと変更されている(写真4)

(写真4)


次に来るのが、当店では「シルバーレーベル」と呼んでいるデザインだ。これは、非常にシンプルで、銀色(初期に比べて、つやがなくなっている)のベースに曲目や演奏家を印刷したものとなっている。(写真5)もちろん、録音データも印刷されていない。

(写真5)


最後は、「デジタル録音」時代のものである。(写真6)
この頃になると、レーベル周りのブルーラインは復活していて、「DEGITAL」の文字が目立つデザインなってくる。

(写真6)



◆東独ETERNA(ステレオ)編◆

ベルリンの壁開放(1989)以前の東ドイツのレコードレーベルは、国営のETERNAのみであった。今回は、紙面の関係でステレオ時代のレーベルの変遷について書いてみたい。

エテルナ最初期のステレオレーベルは写真7のようにレーベルの上の三分の一が白、のこりの三分の二がブルーのレーベルで、その白部分にETERNAとSTEREOのロゴマークが印刷されたものである。
このレーベルはレコード番号でいえば、825で始まるごく一部の盤のみで見られ、レコードの盤質もこの後にプレスされたものより優秀である。一説には、このレーベルの盤は旧西ドイツでプレスされたという。このレーベルは、「扇形」あるいは「V字」レーベルと言われている。

(写真7)


次の世代のレーベルは、黒のベースに、ETERNAのロゴが印刷されたもので、一般に「ブラックレーベル」と呼ばれている。このレーベルは80年代頃まで続き、エテルナの名盤として代表的なケンペやズスケ四重奏団などの名録音が目白押しだ。(写真8)

(写真8)


その後のレーベルデザインは、黒地にETERNAEDITIONのロゴが銀色で印刷されたものである。(写真9)これを私たちは「エディション・レーベル」と呼んでいる。この後は、青地にETERNAやEDITIONのロゴが印刷されたものや、DEGITL表記のものなどがあるが、残念ながらちょっとまだ整理がついてない。(写真10・11・12)

(写真9)

(写真10)

(写真11)

(写真12)



◆蘭PHILIPS編◆

1891年、社員僅か20人で、電球の生産からスタートしたオランダの家電メーカー・PHLIPIS社が1950年にレコードレーベルを立ち上げた。これが、アムステルダム・コンセルヘボウ管弦楽団などの名録音などで名門レーベルとして知られるフィリップスレーベルである。

モノラル時代

フィリップスのモノラル時代初期のレーベルは、写真1のように、あずき色ベースにレーベルの上部に銀色で「Minigroove」(ミニグルーヴ)文字と「PHILIPS」社のロゴがアレンジされたデザインものである。これを我々は、「ミニグルーヴ・レーベル」と呼んでいる。この時代の名盤としては、メンゲルベルクとコンセルトヘボウ管弦楽団の「マタイ受難曲」をはじめとする歴史的名演や、クララ・ハスキルの演奏などがあげられる。

(写真1)


その後のレーベルには、この「ミニグルーヴ」のロゴは無くなり、「PHILIPS」のみとなる。(写真2)また、レーベル自体の地の色も、あずき色から赤色に変更されていく。(写真3)

(写真2)

(写真3)


ステレオ時代

1957年5月27日、フィリップス社は、ベイヌムの指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で初のステレオ録音を行う。(ドビュッシーの「海」ほか)
さて、この初期のステレオ時代のレーベルのレコードは非常に貴重である。
レーベルのデザインは、モノラル初期のレーベルと同じくあずき色の地に、「HIFI-STEREO」のパノラマ状のロゴが印刷されたものとなる。これを我々は、「ハイファイ-ステレオ」レーベルと呼んでいる。(写真4)
このレーベルがオリジナル盤のレコードであるものの有名なものとしては、フェリックス・アーヨが独奏をつとめ、イ・ムジチ合奏団が演奏したヴィヴァルディの「四季」があげられる。もしかしたら、このLPは、カラヤンの「運命&未完成」と並び、もっとも有名なクラシックレコードかもしれない。(写真5)また、この頃アメリカ・コロンビアで録音されたブルーノ・ワルターとコロンビア交響楽団の一連のレコードのヨーロッパでの発売権は同社が所有していたため、これらのLPのヨーロッパ初版は、この「ハイファイ」レーベルということになる。

(写真4)

(写真5)


このつぎの世代のレーベルは、「ハイファイ」のロゴは消え、「PHILIPS」のロゴのみとなる。このレーベルもいくつかのパターンがある。
一番古いものは、あずき色の地に「PHILIPS」のロゴが銀色で印刷されたものである。(写真6)これは1960年代から1970年代の初めまで続く。この時期の名盤としては、ハンス・クナッパーツブッシュがバイロイトで指揮した、「パルジファル」のライヴ盤などがある。そして、やがて1970年代をむかえると、このレーベルの地の色は、赤色となる。(写真7)たぶん、このレーベルの時代がPHILIPSの黄金時代といってもよいかもしれない。ベルナルト・ハイティンクをはじめ、名指揮者たちとコンセルトヘボウ管弦楽団や、世界を代表する弦楽合奏団となった、イ・ムジチ合奏団の名盤がひしめき合っているからだ。

(写真6)

(写真7)


その後、1970年代も後半となると、ロゴの色がこれまでの銀色から白色に変更されたり(写真8)、さらにはLP最終期になると、レーベルが銀色に変更されていった(写真9)。がしかし、世界屈指の名ホール・コンセルトヘボウ(オランダ語でコンサートホールを意味する)の音響を思わせる、ちょっと軽やかでふくらみのある美しい音色は、我々オーディオファイルをこれからも魅了していくことだろう。

(写真8)

(写真9)


デジタル録音時代

1979年11月、フィリップス社初のデジタル録音が行われる。(コリン・デイヴィス指揮の「展覧会の絵」ほか。ちなみに、同社のCD第一号は、1982年録音のイ・ムジチ合奏団による「四季」。)
デジタル時代の初期レーベルは、アナログ録音盤と同じ赤地にホワイトロゴであるが(写真10)、後になるとやはりシルバーレーベル移行にしていくことになる。(写真11)

(写真10)

(写真11)


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